vol.1 健康になって帰ってもらいたい。

「今、薬膳……というか、漢方などを使う東洋の医師を目指しているんですよ」

そう語ってくれたのは、袋井市でメロンカフェを営む村松さん。
「メロンカフェ?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。メロンカフェ、というのは袋井市のクラウンメロン農家である村松さんが営むカフェの名称です。

名前の通り、静岡県で有数の特産品であるクラウンメロンのメニューが並ぶ、素朴で味わい深い店内。
所謂「農家さんのやってるカフェ」では、農作物を主眼に据えたとひと目でわかるようなメニューが目白押し、どころか「とれたて」だけを売りにしていがちですよね。
ですが、村松さんの運営するカフェは一味違います。

もちろん、主たる生産物であり、とれたてを供する「贅沢の極み」を味わえるメロンを使ったデザートがずらりとメニューに並びます。

しかし、単なる「農家さんのアンテナカフェ」というだけに留まらないのがこちらのカフェ。

そこで冒頭に巻き戻ります。
薬膳。そして東洋医学。
こちらのカフェで提供しているのは、メロンだけでなく、お客さんが元気になるような薬膳料理。

普通であれば、採れたてすぐのメロンがその場で食べられる、それだけで贅沢の粋を尽くしたようなものですよね。
ですが、このメロンカフェはそれだけではありません。
なぜ、薬膳料理をカフェのメニューとして提供しようと思ったのでしょう。純粋な疑問として、村松さんに尋ねてみました。

「食の大事さに気づいてもらえたらな、と」
美味しいものを食べる、というのはもちろん。カフェで料理を食べてくれた人が体をリフレッシュしてくれて、そのことによって食の大切さを伝えていきたい。
そう村松さんは言います。
村松さんの目で見ると、お客さんたちの体調も聞かずともわかるのだとか。
「髪のツヤとか、そういうので。……喉の調子が悪いのかな?と思ったら、この季節だったら大根をすったりしてちらっと足してみたり」
そういったお客さんの心身を思いやった料理を出すときに説明をすると、他ならぬ自身のことだからか、みんな聞いてくれて興味を持ってくれるのだそう。

「食って大事なんだな、というのもそうですし。なにより、楽しいな、美味しいな。ということを知ってもらいたいですね」
メニューの仕込みをしながら、村松さんは話してくれました。
「ここに来て、健康になって帰ってもらえたら……そうですね。『幸せ』です。ご飯ってこれでいいんだ、そんなに色々味をつけなくてもいいんだ、って思ってもらえるように」

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